月刊ココペリメールマガジン2014/12月号

こんにちは、株式会社ココペリインキュベートの近藤です。

ココペリメールマガジンの第12回目をお届けいたします。

この記事ではバックオフィス業務にまつわるお話を毎月お届けさせていただきます。

今回は会社と社長(または役員)の 間での資金の貸し借りについてです。

特に中小企業の場合、社長の財布と会社の財布は限りなくイコールに近くなる場合が多いです。

会社に資金が足りない場合には社長が個人で資金を入れることが多いでしょうし、またその逆になることもよくあることかと思います。

そんなよくある話の資金の貸し借りですが、さて、利息は取った方がいいのでしょうか。

会社と社長の2つの財布が同じものと考えるならば利息を計算するのも面倒なだけですが、それでいいのでしょうか。

利息を取る場合・取らない場合がありますので順にご紹介いたしますと、まず、会社が社長にお金を貸す場合、この場合には利息を取ることになります。

会社というものが利益の追求を目的とする以上、資金を貸し付けるならば当然利息を取るべきだ、ということのようです。

もし無利息で社長にお金を貸してしまった場合、取らなかった利息分が社長への報酬と見なされることがありますので注意が必要です。

貸付の利率が低すぎた場合にも同様です。

この貸付金の利率は下記の①②程度が適正だと考えられています。

①銀行から会社が借入れた資金を社長に貸付ける場合、銀行からの借入利率と同率が適正となります。

②上記①以外の場合、「貸付の日の前年11月30日の『基準割引率及び基準貸付利率』」+4%が適正となります。

現在ですと0.3%+4%=4.3%です。

例外として、下記の③~⑤の場合には無利息や適性利率以下での貸付でも問題ありません。

③災害や病気が原因で社長への資金の貸付が必要となった場合等に福利厚生的な観点で合理的な金額・返済期間での貸し付けを行う場合。

④会社の借入金の平均調達金利などを基準に合理的な貸付利率を決める場合。

⑤適性利率で貸し付けた場合の受取利息との差額が5,000円 以下となり、重要性に乏しい場合。

一方、社長が会社に資金を貸す場合、この場合には、原則として利息は取らなくても問題ありません。

なぜなら、個人としての社長は利益の追求を目的としていないからです。

例外的に、会社が充分に優良な会社であって、利息を取らないことが不自然に見えるような場合には利息を取らない=社長個人の所得の調整、と見られるようです。

また、無利息でよいケースでも、もし利息を取りたい場合には利息を取ってももちろん構いません。

しかし、利率を適性利率以上に設定してしまうと適性利率を超えた部分は社長への報酬と見なされますので注意が必要です。

「利益の追求を目的とするはずの会社が、不当に高い金利の資金を借りるなんておかしいだろう」ということでしょうか。

また、社長と会社のどちらが資金を貸す場合でも金銭貸借ですので、書類を整えておくことも重要になります。一般的には金銭消費貸借契約書と取締役会議事録が必要です。手間がかかりますが、忘れずに用意したいところですね。