月刊ココペリメールマガジン2015/10月号
こんにちは、株式会社ココペリインキュベートの安村です。
ココペリメールマガジンの第19回目をお届けいたします。
このコラムではバックオフィス業務にまつわるお話を
毎月お届けさせていただきます。
この10月から各地域で最低賃金額が改定になります。
今回の改定で東京都の最低賃金はついに900円を超え、
時給907円となりました。
東京都近郊の1都3県では下記のような動きになっています。
埼玉県:802円→820円に引き上げ
千葉県:798円→817円に引き上げ
東京都:888円→907円に引き上げ
神奈川県:887円→905円に引き上げ
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
アルバイトやパートの従業員さんをお使いの場合には、
「知らない間にパートさんの時給が最低賃金よりも低くなっていた…」
ということがないようにご注意ください。
特に東京都や神奈川県では、切りのいい900円を超えて来ましたので
従来の時給が900円だった方は時給の変更が必要になります。
さて、今回は経営者のための退職金制度ともいわれる
小規模企業共済についてです。
http://www.smrj.go.jp/skyosai/index.html
名前のとおり、小規模企業共済とは
小規模な個人事業主や法人の役員が退職したり
事業を廃止したりした場合に、それまで積み立ててきた掛金に応じて
共済金を受け取ることができる制度です。
個人事業主の場合でも、法人の役員の場合でも、
共済金は個人としての支払になりますので
税の面では法人税とは関係なく、
個人に係る所得税に関係することになります。
小規模企業共済に加入すると、最小で1,000円から
最大で70,000円までの掛金を毎月積み立てていくことになり、
事業を廃止したか、または役員を引退したときに
共済金を受け取ることになります。
この制度のメリットとしてあげられるのは
主に下記の様な面でしょうか。
・最大で積立金の120%相当額が戻ってくること
・掛金を全額所得控除できること
・共済金を一括で受け取る場合には退職所得扱いとなり
税負担が軽くなること
・分割受け取りの場合でも公的年金と同じく雑所得扱いとなり
税負担が軽くなること
・契約者貸付制度があるため、資金繰りに困ったときの資金調達の手段にもなること
これらのメリットをざっくりまとめていいますと、
貯金のつもりで掛金を積み立てると所得税の節税になる
といった感じでしょうか。
もちろんデメリットもありますのでそちらも見てみますと下記のようになります。
・掛金納付月数が240カ月未満の場合、受取れる共済金が元本割れとなること
・共済金受取時に所得税が課税される
メリットの紹介をした際に書かせていただいた通り
トータルでは税額が安くなりますが、
共済金を受け取った年には税負担は増すことになりますので
その点は注意が必要かと思います。
なお、加入できるのは常時使用する従業員が20人以下
(商業・サービス業(宿泊業娯楽業除く)は5人以下)の
個人事業主や会社等の役員です。
ちなみに加入のための要件ですが、
小規模企業共済に加入するときに要件を満たしてさえいれば
加入可能となります。
加入後に事業規模が大きくなって従業員が20名を超えたとしても
共済を辞めさせられることはありません。
加入中の節税面もメリットですが、
事業をやめた際の所得保証という面でも有効な制度ですので
加入を考えていただくのもいいかと思います。